2005年 05月 09日
"Joy 1967-1990" (1990) Ultra Vivid Scene OFSの最終回のアワード投票で、ベストアルバムを3枚選ぶときに、迷いに迷って結局選外になったのがこのアルバムである。ほかの人が聴いたら単なる「普通の」ギターポップの作品かもしれないが、私には1曲1曲が好ましいものばかりで、今でもiPodでしょっちゅう聴いているし、投票の際には相当迷ったのだった。 すると偶然に最終回の前のOFS(つまり、いつも通りの構成では最終回のOFS)で、"Special One"が流れた(それとも誰かがリクエストしたのだろうか)。プラチナブロンドの内気そうな青年が、ピクシーズの女の子にはにかんだ笑いを見せながら歌っている映像を見て、一瞬自分がリクエストしたのかと錯覚したけれど、そうではないと気がついたとき、投票しなかったことを激しく後悔した。 Ultra Vivid Sceneはカート・ラルスケという青年一人のプロジェクト名であり、彼はアメリカ人だけれど、イギリスの4ADレーベルからこの作品をリリースした(なのでカテゴリーもイギリスにしようかと思ったのだが、後々書こうと思っているピクシーズなどのことを考えるとやっぱりアメリカにしておいた)。部屋にこもって一人静かに作成した感のあるこのアルバムは、4AD独特の不思議なデザインのジャケットや彼のペナペナした声ともどもすべてが私のツボにはまっている。とりわけ"extra ordinary"という曲は、最初に立ち上げたブログのタイトルにしているくらい好きな曲である。extraordinary(非日常)とextraなordinary(普通すぎる)という意味合いをかけたその歌詞もひとひねり効いていて、前回挙げた"Love at First Sight"と並ぶくらいお気に入りのラヴソングである。そして、このブログのタイトルになっている"Three Stars"だって、このアルバムに入っている曲なのだ。 ラルスケ(って名前も可愛いなあ)君はその後UVS名義でいくつか作品を発表した後、プロデュース業(彼がプロデュースしたIvyなどはとてもいいバンドである)を経て、今では映像作家になっているようだ。ブラマンジェのニールと同じような路線をたどっているが、彼にも音楽シーンに復帰する機会があったらいいのだけれど。
by exquise
| 2005-05-09 03:27
| 米
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