2009年 02月 17日
"Shine On" The House of Love in The House of Love (1990) この曲が収められたアルバムはバンドとしては2枚目の作品なのだが、曲自体は87年に発表された彼らのデビュー曲であり、アレンジは加えてあるものの、全体に「青さ」が感じられる。"Little Jesus are you watching me, I'm so young, just eighteen" といったフレーズにあるような「男の子のロマンティシズム」は、わりと平板なバックの演奏とガイ・チャドウィックの頼りなく暗い声により中和されているため、この曲は単なる気恥ずかしい曲とは一線を画している。デビューアルバムには "Christine" などこのタイプの曲が多かったのだが、セカンドになると次第に骨太な路線への転換が見られ、返ってこの曲は宙に浮いているように見える。"Never"といったそういう男っぽい曲も名曲だが、このデビュー曲はやはり彼ららしさが滲み出た代表曲であろう。彼らもまた10年近くのブランクを経て2002年に再結成したようであるが、90年代の時点ですでにアル中みたいだったガイがまだ余力を残しているのか心配である。 "Shine On"(どうみてもOFSからの抜粋・・) "Christine"(こちらも名曲。ああ甘酸っぱい!) #
by exquise
| 2009-02-17 19:37
| 英
2009年 01月 26日
新年があけてうかうかしている間にはや1か月が経過しようとしている。そこで例年のごとく昨年のベスト10曲を選んでみようと思う。去年は半ばあたりから俄然ロック熱が高まり、えらくアグレッシヴな音を好んで聴いていた。その反面ヒップホップ系やダウンテンポものはあまり聴かなかった。昨年の発見は何といってもクークスでストレートなロックがとても新鮮だった。 次点 "In a Beautiful Place out in the Country" (Boards of Canada in In a Beautiful Place out in the Country) あまり聴かなかったダウンテンポ系で唯一よく再生していた Boards of Canada。遠い夏の思い出、みたいなノスタルジックな音とゆるめの反復リズムになごんだ。 第10位 "She Said, She Said" (The Black Keys in The Big Come Up) 昨年前半あたりはブルース色の感じられる音をよく聴いていたが、なかでも彼らの泥臭い雰囲気は印象深かった。ビートルズのこの曲を選んだ、というのもいい。 第9位 "23" (Blonde Redhead in 23) この曲を聴いた頃からシューゲイズ熱が再燃し、それがやがてロック熱へと変化していったと思うと感慨深い。しかし、この写真にせよこの3人の醸し出すアヤシげな空気・・・それがそのまま音にも反映されているように思う。 第8位 "Golden Skans" (Klaxons in Myths of the Near Future) 「ウウウウウウウウウ、オ〜」というイントロのコーラスが一度聴いたら忘れられない。珍しく家人が興味を寄せた「ニューウェーヴ」的なバンドである。他の曲もヘンテコな音なのにとても聴きやすく、不思議な魅力のあるバンドだ。 第7位 "Gimme Love" (The Troubadours) 夏の終わりにぴったりの爽やかな音を聴いて、秋にかけてひとしきりネオアコを聴き直していた。何度聴いても清々しくて気持ちのよい曲だ。ところでこの曲を聴いてローマン・ホリデイ(懐かしい・・)を思い出していたのは私だけだろうか・・・ 第6位 "Chemtrails" (Beck in Modern Guilt) 今回のベックはぐっと渋い路線で来たが、ただ落ち着いた曲を作るのではなく、新しい音を探す姿勢が伝わってきてよかった。ナールズ・バークレイのデンジャー・マウスのプロデュースというからどんだけポップなのかと思っていたら、いい感じに期待を裏切られた。 第5位 "Do Your Thing Babe" (The Right Ons in 80.81) iTunes の新機能 Genius がなければ知る由もなかったスペインのバンド。スペインにもこんなイキのいいロックバンドがいるのを知ることができて嬉しい。こちらも家人の大のお気に入り。 第4位 "Gaburo Girl" (Datarock in Datarock) こちらもジーニアスで見つけたユニット。北欧のエレクトロニカは肌に合うものが多いような気がする。ほかの曲もチープな味が効いていて、昨年後半はヘビロテだった。 第3位 Dig, Lazarus, Dig!!! (Nick Cave and the Bad Seeds in Dig, Lazarus, Dig!!!) 久々に聴いたニック・ケイヴの見事なはじけっぷり(と風貌の変わりっぷり)に圧倒された。今後の彼の動向がますます気になる・・と思いきや、先日飛び込んで来た突然のミック・ハーヴェイ脱退の報道。ニックの「抑止力」のように見えていた彼だけに、このニュースはショックである・・・ 第2位 "Kill Joy" (N.E.R.D. in Seeing Sounds) 解散などという話も出ていたから正直どうかなと思っていたNERDの新譜は前よりもパワーアップしたかのごとく迫力が感じられた。ロック雑誌での年間ベスト作品(やっぱりこの作品は「ロック」でしょう)中にかすりもしていなかったようなので、巷の評価は低いのかもしれないが、過去2作に劣らない出来ばえだったと思う。 第1位 "Sofa Song" (The Kooks in Inside In Inside Out) 昨年最も iPod の再生回数が高かったのはおそらくクークスで、そのなかで最も再生回数が高かったのがこの曲だろう。何の変哲のない旋律の曲でもグイグイこちらを引っ張っていく勢いが感じられた。昨年出た2枚目もまずまずだったけれど、やはりデビューアルバムのインパクトの大きさにはかなわない。 よく考えたらレディオヘッドの "Reckoner" が抜けていた・・・ これはちょうど一昨年の年末と昨年の年始にまたがけて聴いていた、ということになるので、どちらの年に入れるか微妙な位置にある曲だ。もし今回入れるのだったら4位あたりになるだろうか。 2009年が明けて、只今は音楽への意欲がやや停滞気味であるけれど、「きょうの iPod」は少しずつでも更新していきたいので、これからもどうぞよろしくお願いします。 #
by exquise
| 2009-01-26 21:06
| その他
2008年 12月 16日
"As Above, So Below" Klaxons in Myths of the Near Future (2007) レトロな感じのコーラス、唐突に入ってくるアグレッシヴなギターやシンセ音、それでいてポップな旋律を聴かせるクラクソンズは、とても不思議なバンドだ。"Golden Skans" を家人がいたく気に入り、他の曲も聴いてみたところ、以前どこかで聴いたことがあるようでいて、一方で斬新な音にも感じられる彼らの曲は、「近未来の神話」というアルバムタイトルに象徴されるように「レトロ・フューチャー」という言葉がぴったりだ。玄人受けするバンドらしく、あのジャーヴィス・コッカー大先生も絶賛しているそう(クークスはダメ出ししてたのに)。まだアルバム1枚しか発表していないが、今後どう化けるか楽しみである。 As Above, So Below(アンオフィシャル PV。シュルレアリスムの実験映画風) #
by exquise
| 2008-12-16 20:53
| 英
2008年 12月 13日
"Swords of Truth" These New Puritans in Beat Pyramid (2008) 夏頃にふと耳にした "Elvis" のイントロ部分はなかなか刺激的だった。緊張感漂うダークなギター音と攻撃的なビート(とあるページでは「ゴス・ポストパンク」などと形容されていた)には、後々まで耳に残るクールで硬質な響きがある。オカルティックなイメージも感じられるが、一方で彼らはディオール・オムの音楽を担当するなどファッション界とも接点を持ち、一昔前のゴス系バンドとも違うスタイリッシュさも兼ね備えているようだ。すでに3年前から活動している彼らが今年発表したデビューアルバムは賛否両論らしく、 Rate Your Music などではとても評価が低いが、個人的には面白い曲が多かった。この曲も変則的なドラムと呪文を唱えるかのようなヴォーカルの絡み合いが印象的だ。 Swords of Truth #
by exquise
| 2008-12-13 19:41
| 英
2008年 12月 12日
"Nothing Natural" Lush in Spooky (1992) 「シューゲイズ」の地味な青年たちのなかにあって、ラッシュのミキとエマはそこにいるだけで大輪の花が咲いているかのような鮮やかなオーラを全身から発していた。ほかのシューゲイズのバンドと同じように轟音に浸されていても、彼女たちの、時にささやくような、時に力強い声が響くと、どの曲もとたんに女らしくなるのだ。男性メンバーもいたにはいたが、ラッシュはまずミキとエマのバンドだった。 美貌のエマも好きだったけれど、私はやはり日本人とのハーフだというミキの、燃えるような赤い髪と、我の強そうな黒い目が好きだった。デビューしたての頃はツンツン頭でいかにもロック好きの女の子みたいだった彼女が、途中から急に女っぽく奇麗になったのを思い出す。メンバーで彼女の恋人だったクリスの自殺という衝撃的な事件のショックからミキが立ち直れず、バンドがそのまま消滅してしまったのは本当に残念だ。エマは別のバンドで活動を続けているが、ミキはその後どうしているのだろうか。 この曲はラッシュの最も好きなアルバムのなかの、最も好きな曲である。 Nothing Natural #
by exquise
| 2008-12-12 22:35
| 英
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